2012年04月01日

bliss in the dark

というワケで、先日のGargleのイベントに参加して下さった皆様(お客さんも出演者も)、ありがとうございました。
どーだ、こんな素晴らしいイベント誰にでもできるモンじゃないだろー……という内容で皆様にも楽しんでいただけたのではと自負しております。

他の出演者がかなり呼んでくれたというのも当然あるのだけど、自分で調べて来てくれた外人さんやらも何組かいたし、「解散コンサートか?」という位昔馴染みの仲間が来てくれたのもあり、お陰様で大盛況とあいなりました。


トップは日本で勉強中のイギリス人のスコットのソロプロジェクトであるendote。
endote

ノートPCのみで映像も使わないというシンプルの極みなパフォーマンス。
出てくる音はまじりっけ無しのガチなアンビエント、しかもかっこいい。
日本でライヴをやるのは初めてらしいんだけど、Gargleがオファーしてから「なんだライヴやるんだ」ってことになったのか、他にもお声がかかったらしい。
最初に僕らのイベントでやってもらえて何とも光栄だ。

次はこれまたノートPCのみのソロプロジェクトであるDabit。
Dabit

音はエレクトロニカ。
直球でやはり純度高くてかっこいい。
iPhoneをプロジェクターに挿してVJやりつつのパフォーマンス。
彼の出番の時に同僚達がやってきて「あのコは演奏してるの?」と訊かれた。
確かに馴染みがないと絵面が特殊だよなぁ。
「もちろん演奏中だ」と答えたが。

三番手はkanina。
kanina

自作のアニメーションを上映しながらその物語にそった音楽をやるエレクトロニカのデュオ。
エレクトロニカって言葉の範囲が広いけど、こちらは歌ものかつ轟音ありかつ繊細な世界。
彼らは元は大阪で活動していたのだけど、もっと音楽シーンが活発(と思われていた)な東京に進出し、東京もやっぱり冷え込んでたので海外に進出している。
なんだか身につまされる。
実は僕らは、彼らがまだ大阪に居た時、東京での彼ら(と店の共同企画)のイベントに出演したことがあるのだ。
その恩返しがやっとできて何ともうれしい。

で、僕ら。
持ち時間(30分)で出来る限りのことを……っていうんで大作をガシガシと並べた選曲でやった。
すると自ずとしばらくぶりにやるような古い曲が多めになったのだけど、久々に観てくれた昔からの仲間はどー思っただろうかというのが気になってしょうがなかった。
「何にも変わんねぇなぁ」と思われたんじゃないかと思い後で弁明して回った格好の悪いワタシ。

あまり大きな声で偉そうに言うことでもないが、フランスを回ったとき、行く先々でオーガナイザーや共演者にとても良くしてもらったのだけど、その恩は本人たちにはなかなか返し様が無いので、自分たちのイベントの時にはせめて僕らがしてもらったように共演者が居心地良く演奏に集中できるように心がけた。
そうやってみんながお互いに敬意をもって作り上げるようなイベントが広がっていけばいいなぁと思う。
そういうイベントはお客さんも居心地がよいからね。

次の予定も、そのまた次の予定も珍しくきまってるんだけど、それはまた告知するつもり。
posted by イケーダ サトーシ at 01:10| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月20日

2011年15月20日

地震から1年経った。

宮台真司的「終わりなき日常」ってなもんは、ある種真剣味の足りない想像の産物だったのだなぁと思う。
このどーってことない日常というのは、割と細々(こまごま)とした脆い営みの上に続いていたワケで、それが崩れればその上に載ってるものも全部崩れちゃうのだな。
自分より若い人も年取った人も、そして自分の子供と同じ位の年の子も沢山死んだ。
彼らは、映画の中で悪者にあっさりやられてしまう群衆の一人というわけではなく、そこに至るまでの色んな普通の日常を重ねてきた普通の人たちなワケだ。
そういう人生に意味があるからとか無いからとか関係なく、死ぬときは死ぬ。
それはつまり、僕だって僕の家族だって、僕にとってかけがえの無い存在であろうがなかろうが、意味があろうが無かろうが、死ぬこともあるし、家や仕事や何やかやという生活の基盤とも言うべきものをあっさり奪われることもある……ということを意味する。
さらにはそうした状況だからと言って、国が僕らを必ずしも守ってくれるワケでもない。

真剣に考えればどれもこれも当たり前のことなのだが、そうしたことを真剣に考えるには、余りにも崩れることの無い強固さを持った日常が続いていた。
まさかその日常が終わる時がくるとは。

終わって一年も経つというのに、「ではどうするか?」という丁度いい答えは出せないでいる。


bliss in the dark


というわけで、3/20は阿佐ヶ谷でイベントやります。

散々、ライヴを活動の中心としてしまうバンドという音楽のやり方に対する疑問をことあるごとに書いてきたのだが、当然、今でも「このご時世に何も考えずに音楽活動=バンドでライヴをやること」と思い込んで活動することには大いに疑問がある。
それでも生でしか観られないもの……ってのはやっぱりあるワケで、他にご覧いただく適切な手段が無いならば、いわゆるライヴイベントというものをやるのもありなのではなかろうか、と思う次第なのだ。
そうやって重い腰を上げてやってるからには、やはりいいイベントとしないわけにはいかないので、そうなるようがんばっております。
posted by イケーダ サトーシ at 00:45| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月12日

ツアー以外について

色々書こうと思ったが、やっぱり時間が無い。
自分の時間が無い。

今週末は七針でGargleのライヴです。

2012/1/14(土)
@ 七針 - 八丁堀、東京
不自分 presents 'こひわづらひ'
Open / Start : 19:00 / 19:30
1,500yen
With : 不自分, Bluehour, えこ

ともかくも僕らを誘ってくれて不自分さんありがとう。
ある意味3ヶ月遅れのユーロツアー凱旋公演(成功したかどうかも当人たち以外には分からないのをよいことにツアー帰りのバンドが華々しく「凱旋公演」とか銘打ちたがるのはよくない傾向だと個人的には思っているが)。
お見逃し無く。
posted by イケーダ サトーシ at 00:27| 東京 曇り| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月03日

Gargle Euro Tour #9 ボルドー編1

スマホにスマホからブログを更新する為のアプリを入れているのだが、Flickrに上げた画像を画面に張りつつ……というのが、やっぱりスマホの一画面でやるのが厳しい。
故にPCの前にゆっくりしてられる本日のような日に更新するか、あるいは画像無しで更新するしかない。
困ったもんだ。
というのが更新が滞っている理由である。
明けちゃいましたね。


リモージュのライヴ後。
宿はMYCIAAのLaurentが取ってくれた会場から極々近所の宿。
ただ、ライヴが終わって宿に行くと、車を止める場所が無い。
駐車場は既に満車。
近くの道路は既に路駐で埋まっている。
唯一空いているのは物凄く傾斜が急な坂道の天辺。
さすがにこれだけどこもかしこも埋まっている中で空いている場所だけあって、停め辛いことこの上無い。
慣れないマニュアル車の操作でこの場所に止めるのはかなり難しく、斜面で何度か車の裏側を擦り、それでもうまく車を納めることができず諦める。
そこに店を閉めたMYCIAAと店のスタッフが通りがかり、もう夜中だというのに車を止める場所を探してくれた(※結構宿から遠くなったが)。
なんて親切なんだろう。

ただ、無理な駐車で底を擦ったせいか、車の走った後に油が垂れているのがとても気がかりである。
その日は「明日起きたら車が故障していたらどないしよう」ということばかり気がかりで、ろくに眠れなかった。
ちなみに部屋はとてもきれいで部屋数は二つ、ベッドも4個あった。
恐らく僕の家族が来るかもという情報が伝わっていたのだろう。
何だか申し訳ない。

車のことともう一つ気になっていたのが洗濯のことである。
僕は早起きして、一人でホテルのランドリーに行ったが、どうやらフロントで専用のコインを購入し、それを使って動かす仕組みのようだ。
フロントが空くまでまだまだ時間があったので、部屋に戻り、起きてきたミノワさんと散歩にでかけた。

リモージュの朝


またしてもなんとも、地震の無い国だなぁとしみじみ思う。
昔の石の橋がそのまま現在でも使われているのだ。
これが朝もやと相まってとてもよい雰囲気。
ホテルに戻ると、見知らぬイタリアのおじさん達に話しかけられ写真を撮ったのだが、彼に書いてもらった手書きのメールアドレスがきちんと解読できず(※ガイジンの書く手書きのアルファベットや数字は何かとても読みにくい)、未だに渡せていないのが心残りである。

洗濯をし、Laurentにもらった朝食用のオレンジジュースやらお菓子やらをムシャムシャと食べ、出発する。
今日のボルドーへの移動はそれ程の距離ではない。
またも早く着きすぎるのではないかという懸念も無くはなかったが、「まぁ、どうせ今日も何かアクシデントがあって素直には着かないだろう」ということで素直に向かった。

ボルドーへは、高速を降りてしばらく走ってから、橋を渡って入る。
この辺りからじんわりと道は込んでいる。
進んで止まって進んで止まって。
渋滞を抜けるとボルドー。
18世紀の建物が多く残る街。
そして、その狭い道には人が溢れ、路駐の車が溢れている。

ここから2時間、車を停める場所を探し続けることになった。
今日は、僕に渡すもの(※パリのユニクロで買った寝巻き/本当は日本から送ったCDをこの日までに受け取れればと思ったのだけど、ヨメの奮闘空しくそれはうまくいかなかった)を持った僕の家族がボルドーに来ており、その間も「で、どこに居る?」と電話が来る。
そう言われても停められないものは仕方が無い。

いよいよ路駐は諦め、会場から離れた場所にある公設の地下駐車場に停め、機材をひいひいいいながら運んだ。
お陰でクラッチを繋ぐのはすっかり慣れたが。
posted by イケーダ サトーシ at 18:12| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月06日

Gargle Euro Tour #8 リモージュ編2

auから請求書が来た。
29,499円。
普段7千ナンボなんでびっくりだ。
だが、海外ダブル定額適用前の海外分のパケット通信料は316,031円だからまぁ、定額プラン様々と言うべきか。
auのiPhoneは海外でパケットローミングする際に、接続事業者を選択する項目が無いというから、今回に関してはAndroid携帯で正解だったようだ(※KDDIが提携している以外の現地通信事業者と接続した場合、海外ダブル定額は適用されない)。


Machine Mallの次は僕らだった。
若い彼らの呼んだお客さんが割りと多かったようで、彼らの出番が済んだら若干人は減ってしまったが、それでもかなりの人数のお客さんがフロアにいる。
ライブの前(あるいは最中)、お客さんは基本的に値踏みをするような目をして遠巻きに見ている。
あ、何かお客さんを批判しようというようなことではない。
たぶん、僕自身もお客さんとして観る時はそんなんだと思う。
だが、今日のお客さんはMachine Mallの前も、そして僕らの前の時も、むしろ「何が始まるんだろう?」と期待しているような顔をしている。
僕が思うに、地元のヒーローであるMYCIAAはお客さんの信頼がとても篤く、彼らの企画するイベントに対する信頼もかなり高かったんだと思う。
ともかくも、現に僕らの出ているイベントはとてもうまくいっており、そのうまく行っているイベントの出演者として僕らはとても期待されていたのだ。

人々が期待してステージを見上げている顔っていうのは、値踏みするような目で見られている時よりも気が楽だ。
いつもは値踏みするような目にさらされて、微妙に緊張したりするのだが、今日は「早くこの人たちに僕らの音楽を聴いてもらいたい」という気持ちが勝っていて、こちらもとてもわくわくした。

とても感覚的かつ抽象的なのでうまく伝わるか分からないけど、ライヴの時って、ダメな場合は音が鳴っているのにお客さんのところにちっとも届いていないようにステージでは感じるのだ。
逆にうまくいっている時は、こちらの出す音とお客さんが繋がっているような感覚がある。
リモージュでは、完全にお客さんに音が届いていた。
「おぉ!?なんだこいつらは??」とお客さんが引き込まれているのがよく分かる。
そういう時って相乗効果でこっちもよい演奏ができるのだ。
なんともうれしく、そしてありがたい。

僕らのステージが終わり、お客さんはみんな喜んでくれた。
MYCIAAのお二人は今日の為に色々骨を折ってくれた。
だからと言って僕らは何を返せるわけでもなく、せめて音楽でお客さんの期待以上の演奏をする位しかできないのだが、それができたのでほっとした。

僕らの後はMYCIAA。
彼らは本当に地元のヒーローなのだ。
無論、彼らの素敵な人柄のせいもあるだろうけれど、有名なATARI TEENAGE RIOTとツアーを回ったりということで名と実力を備えたバンドとして尊敬されているようである。
音楽としては打ち込みパンクだ。
僕らがやった時にすでに後ろに何かがうずたかく積まれた上に黒い布が被されていたのだが、それが取り払うとブラウン管のテレビが何台も無造作に積み重ねられていた。
MYCIAA

そして始まった。
おぉぉ。
かっこええ。
そしてパンクなんだけど、みんな楽しそうに見ている。
僕も何だか楽しかった。
MYCIAA


彼らの出番が終わり、今日のイベントは終わった。
うん、やっぱ3バンドくらいがよいよね。
一晩に5バンドとかってのはやっぱ辛いもん。

終わった後に全部のバンドで片づけをお互い手伝った。
この文化もよいなぁと思った。
日本の文化はそれはそれでよい面も沢山あるんだけどね。
でも「外」と「内」を明確に区別するからね。
「内」ではない人とこんなにフラットに付き合うなんていうのは日本では無い。
素晴らしい。
posted by イケーダ サトーシ at 01:57| 東京 雨| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月29日

Gargle Euro Tour #7 リモージュ編1

そんなワケで、後腐れなく無事宿を後にできた。
宿から高速への道は何も無い山道。
ただ、山道という言葉から想像するようなアップダウンや急なカーブは殆どなく、道幅も広い。
より穏やかになった伊豆スカイラインのような感じというか。

今日の移動はそもそも直線距離としては100Km位。
下道も高速も平均速度の速いフランスでの移動としては大した距離ではない。
ミノワさんは、早く着きすぎて車を止めることもできずに困ったことになるのを懸念していたが、実はドライバー心理としては遅れるくらいなら早く着いた方が助かるなと思っていた。
何にせよかなり順調にリモージュと言われる辺りに着いてしまいそうなのは確かだし、やっと昼過ぎと言う時間ではさすがにまだ早すぎるのも確かだった。

ならば……ということでナビの行き先をリモージュの空港に変えた。
別に空港に用があるわけではない。
空港には僕らの使っているレンタカーの営業所があるのだ。
昨日よりはマシになったとは言え、僕のマニュアル車での運転はまだまだヘタクソだった。
無論、いつかは慣れるだろうが、慣れる前に酷いトラブルに出くわす危険性も十分あった。
車をオートマに変えよう。
無理ならせめて小さい車に変えよう。

リモージュの空港は何とものどかな、小さな地方の空港だった。
売店で水など買った後、併設されているレンタカーの営業所に行った。
「これこれこういうワケで、せっかく用意してくれた大きな車だけど、別の車に変えて欲しい」
「今返されたばっかりできれいにはしていないけどあれでいい?」
女性店員が僕らに薦めたのは程ほどの大きさのシトロエン。
まぁ、マーチと同じ位か若干大きいかという程度。
確かに汚いが、まぁちっともそんなことは気にならない。
マニュアルだったがまぁよいだろう。

「あなた達の乗ってきた車は?」
「あっちにあります」
彼女を車まで案内すると
「……ナンバープレートは?」
「!」
いつから無かったのか知らないが、前のナンバープレートが無かった。
ちょっと青くなった。
「トラブルがあっても追加費用のかからないオプションに加入済みだから、大丈夫よ。私がボスに怒られるだけ」
と言って店員はおどけた。
「ただガスは満タンにしてまたここに戻ってきて。地図を渡すから」
よく利用者に渡すのであろうその地図は手書きのものをコピーした代物だった。
一応説明を受け、その時は分かったつもりで取り敢えず空港を後にした。
が。
空港の前のラウンドアバウトからとある道に入り、またすぐ別のランドアバウトに入り、そこから大分遠くに行って高速に乗り(※フランスの殆どの高速は無料である)、その途中にあるガススタに入ってそのまま高速から空港側の出口に行って空港に戻る、と。
その二度目のランドアバウトの適切な出口がいまいちよく分からない。
ラウンドアバウトから出てしまうと、どっちに行っても修正の利かない田舎のまっすぐな一本道なのだ。
かなり遠くまで行って、やっとあったラウンドアバウトでUターンしてまた例のラウンドアバウトに戻る。
あぁ、どうやらこの道もまた違うようだ。

そんなこんなで散々さ迷い、やっと目的を果たして空港に戻った時には1時間以上過ぎていた。
結果としてかなり適度な時間調整となっていたので、まっすぐ会場に向かう。
会場はLa Fourmiというライヴハウスで、メインストリートから一本入ったところにある。
周りは工場だか倉庫だかで、要はあまり騒音問題というものが関係なさそうな立地だ。
車もその敷地内の好きなとこに止めてよいということだった。

今日のリモージュ公演は、リモージュのバンドMYCIAAのLaurentがオーガナイズしてくれた。
実のところ僕は彼の顔を知らなかったので、サウンドチェックの時にも熱心に手伝ってくれる彼のことを最初は店の人だと思っていた。
それ位、Laurentも店のスタッフも一緒になって働く。
もちろん、彼のホームグランド的な店だからというのもあるだろうけど、出演者側とスタッフのそもそもの距離感が日本とは違う感じだ。
日本の場合、どんなスタッフと親密になったとしても、どこかカネを介してサービスをする人/受ける人というような構図が残ってしまうことが多いが(PAに偉そうな出演者とか、出演者に偉そうなオーナーとか)、今日のこの場にある雰囲気は同じ目的の為に一緒になってステージを作っていくという意識がなければ出ないものだ。

サウンドチェックは、ミノワさん側のフットモニターにノイズが乗るという問題があり、途中でモニター自体を換えるというトラブルはあったものの、基本的には中音(なかおと)のバランスがとても良く、東京でのライヴハウスでもこんなにやりやすいことは滅多に無い……という位快適だった。

僕らの後に出番が最初のMachin Mallがチェックを行い、その後はMYCIAAのEvaちゃんが用意してくれた手作り夕食をみんなで食べた。
これも日本には無い習慣だ。
田舎で、辺りに食事をしに行くようなところが余りなさそうっていうのもあるんだろうけれど、何ともアットホームなもてなしがありがたい。

THE TUESDAY DUO SHOW

素敵なフライヤー。

そして本番。

まずはMachine Mall。
Machine Mall

といいつつサウンドチェック中の彼らの写真。

今日は、本番前から演奏するのが楽しみでしょうがない……という緊張しいの僕としては珍しい感覚を味わっていた。
それは先に書いたようにMYCIAAのお二人のもてなしやら店の音の良さやらみんなでステージを作っていくような雰囲気やら……というのも要因として当然あるが、サウンドチェックの時に彼らの演奏を聴いたからというのも大きい。
上のフライヤーに彼らの紹介として「Post Hardcore Noise」とあるが、正にそんな感じ。
ドラムとベースのデュオなんだけど、ベースは信号をパラってギターアンプとベースアンプの両方から出している。
その彼らのサウンドチェックでの演奏が素晴らしかったのだ。
素晴らしいだけじゃなく、聴いた瞬間に「あ、世界中のアンダーグラウンドシーンは繋がっている」と直感できたのである。
彼らが新宿のライヴハウスに出ていてもちっとも不思議は無いし、僕らがリモージュでライヴをやるのも特別なことではないのだな、と。
僕らの音楽は決して主流ではないし、むしろ一般的な認知度のとても低いジャンルなのだが、近年myspaceやら何やらといった手段で世界中のバンド同士が直で繋がれる時代になったということもあり、急速に国境というものが無いような状態になっている。
中でも僕らやらMachine Mallといったインストバンドでは特にその傾向が強い。
むしろこの傍流の音楽は、国境を越えてお互いに触発され、切磋琢磨し、全体のレベルを高めることで生き残っているという面があるように思う。
彼らの音を聞いた僕がすぐにその良さを分かったことも、こうした状況を考えれば必然だし、こういう音楽をやっている人たちがいるところには、僕らがカネと時間をかけて音楽を届けに行かなきゃならないのも必然なのだ。
繋がることで続いてきたのだから。

平日の夜なのだが人はわらわらと集まってきて、Machine Mallの疾走感と緊張感と情感が混ざり合った演奏をみんな楽しみながら聴いている。


すんません、リモージュ編もう一回続きます。
posted by イケーダ サトーシ at 02:22| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月26日

Gargle Euro Tour #6 リモージュへの道編

週末から子供が風邪をひいてるのと、仕事がクソ忙しいせいで、自分の時間が殆ど無いっす。
そんなワケで久々の続き。


夜寝る前にホテルの前に一服しに行った時も、宿の今夜の責任者と思しきオバサンはホテルの前に件の車を引っ張り出して、傷の様子を熱心に見ていた。
横では心配そうに若い女性の従業員が付き添っていた。
オバサンが移動したので、車はオバサンのものかと思い込んでいたのだが、どうやら車の主は若い女性の従業員のもののようだった。
「日本人は悪くもないのにすぐ謝る」的なハナシもよくあるので、謝るでもなくかと言って無視するでもなく「おやまぁ」とか日本語で言いながら二人の横に行き、さりげなく傷の位置を自分の膝の位置と比べたりした上でそそくさと自分たちのレンタカーの方に行った。

膝の位置から推定される凡その傷の位置に傷が付いていたとしたら、僕は車を擦ってしまったことになる。
ところが。
僕が思ったとおり、やっぱり車のその辺りには傷っていうようなものが無い。
あちらの車にあのような傷が付いたのならば、こちらの車も無傷というワケにはいくまい。
ところがそんな傷が無い。

なんだ、やっぱり僕が犯人じゃないんじゃん。

そんなワケで何となくほっとして(とは言え事実はどうあれ「弁償しろ」的な騒ぎにならないもんでもなかったので内心落ち着かなかったが)寝た。


あくる朝、ホテルのフロントに向かうと今度は男性が立っている。
彼は恐らく正真正銘ここの支配人だ。
彼は昨日のオバサンとはうって変わって愛想がよく、英語も通じる。
「そこの食堂で朝食を食べてもよいのですか?」
「もちろんだよ!」
昨晩も、ホテルのフロントに立っているのが彼だったら、僕らはこのホテルの評価を押し上げているというディナーを食べられたのだが。

朝食はビュッフェ形式だった。
他のヨーロッパの食事のことはよく分からないが、少なくともフランスにおいて、緑黄色野菜というのは献立上不可欠というワケではないらしく、サラダ的なものはポテトサラダのみだった。
パリのホテルでもそうだったけど、少ないサラダのバリエーションと反比例するように、シリアルの充実度が高い。
シリアルにヨーグルトやらドライフルーツやらをかけて食べるのだ。
緑黄色野菜の不足を補うように、ビタミンと食物繊維を採ることで腸の働きを助けるということか。

他には、朝食に限らず、どこで食事をする時でもパンとチーズと生ハムだけは付いてくる。
しかもどれも平均レベルが日本で言う「おいしい店」のレベルの辺りにあるので素晴らしい。
素晴らしいがどこでも出てくる故、飽きてしまうというのはあるかもしれないが。

コーヒーはどこで飲んでも割りと濃い目だった。
エスプレッソじゃなくても濃い。
カフェクレーム(※つまりはミルク付きのコーヒー)を頼むとポーションミルクが何個も付いてくるのだが、「一個でいいですよ」なんて言って一つだけもらってきて入れてもちっともミルクを入れた感じにならない……っていう位濃い。


そんな朝食を満喫し、出発する。
一応ミノワさんが昨晩のことを支配人に訊いてくれる。
「昨日、僕らの車を駐車場に入れる時に、従業員の方の車に擦ってしまったかもしれなくて、そのことで何か聞いてると思うんですが?」
支配人は事務所に戻ってまた出てきた。
「特に何も聞いてないよ。問題なしだ!」


あ、また子供が泣き出した。
ついにホテルを出るところで終わってしまったよ。。
posted by イケーダ サトーシ at 23:59| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月22日

Gargle Euro Tour #5 巴里脱出編

パリで予定されていた2公演が終わった。
公演はこの後もリモージュ、ボルドー、マドリッドと続く。
パリのホテルからマドリッドの会場までの直線距離は1,050km。
東京の自宅の最寄り駅からで言うと、鹿児島の南の屋久島のそのまた隣にある口永良部島までの距離と同じ位だ。
何というロングドライブ。

出かける前にパリでどうしてもやらなくてはならないことがある。
旅への出発前に東京からアンコさんのアトリエ(※つまり最初にライヴをやったところだ)宛に自分たちのCDを送ったのだ。
ヤマトで送ったその荷物はフランス国内ではDHLの扱いになる。
あて先の電話番号が間違っていた等のトラブルもあったものの、それらを訂正し、アンコさんからもパリのDHLのオフィスと連絡を取り合ってもらい無事届くように手配したのだが、実は今日に至るまでCDは届いていなかった。
Webで荷物の履歴を見るとしばしば配達に行っているのだが「不在」ということで戻ってきている。
いや、アンコさんのアトリエは共同アトリエなので常に誰かがいるから「不在」ということはまずない。
Webで評判を見ると、フランスのDHLの対応はいいかげんで、頼んだ荷物がまだ届いていないというような嘆きの声がいくつか見つかった。
アンコさん自信もDHLはよくない……と言っていた。

今CDを受け取らないと、せっかくのCDが無駄になる。
しょうがないのでミノワさんに頼んでDHLのオフィスに英語で電話してもらい、何とかDHLのオフィスまで取りにいけることになった。

が、その後もマドリッド→パリへの航空券を手配したりなんだりするとどんどん時間は無くなっていった。
極めつけはレンタカーである。
ツアー中の移動手段に関しては、僕らの間で色々議論したのだが、都市部ではタクシーで、都市間はレンタカーで……ということにしたのだ。
ミノワさんは全てをレンタカーでと主張していたのだが、終わってみれば公共の駐車場の類が日本程にはどこにでもあるという状態でないパリの事情を考えると、都市部はタクシーでというのは妥当な判断だったように思う。
それはともかく。
予定されていた時間よりも何時間も遅れてレンタカー屋(ホテルからは結構遠かったのでタクシーで行った)に着くと、手続きの後ずいぶんまたされた挙句、席が3列もある巨大なシボレーがやってきた。
僕が事前に予約していた奴より数段デカい。
「いい奴に換えておいてあげたよ!」
と店員のお兄さんがにっこり微笑む。
ただでさえ、10数年ぶりのマニュアル車(※ヨーロッパでは男性は大体マニュアル車に乗るそうで、オートマ車は殆どみかけないが故、オートマのレンタカーは数が少ない上にマニュアル車よりもかなり値段が高い)に乗るというだけでかなり敷居が高いのに、何とも恐ろしい車が来てしまった。

ついでに言うと、ナビもない。
が、事前に「ナビは日本のナビを想像しているとかなりがっかりするレベルの製品」という話を聞いていたし、実際、タクシーについているナビを見ると、画面がとても小さく、かつ走行中の視点に沿ったビューの画面しかない(※経路全体を俯瞰したりするビューが無い!)。
なので端からスマホのナビアプリを使うつもりではいたのだ。
海外定額プランでもデータ通信量が一日2,000円以上かかるが、これが無ければ迷うこと必至なので仕方が無い。

そんな感じでまずホテルまで戻らなければならない。
ご存知だろうが、ヨーロッパの交差点の多くはラウンドアバウトという奴になっている(フランス語で何と言うかは知らない)。
複数の道が交差したところが左回りのロータリーになっており、ラウンドアバウトに入った車はロータリーを回りながら目的の道のところで右折してラウンドアバウトを抜けていく……という仕組みだ。
これだとある程度の規模までは信号が無くても済むので便利である。
レンタカー屋の前が早速小規模なラウンドアバウトになってるのだが、いきなり出口を間違えて違う道に入ってしまったようだ。
そこからルートを修正し、またレンタカー屋の前に戻りラウンドアバウトに入りなおす。
今度は正しい道に入る。
すると坂道に入った。
信号で止まった。
後はお決まりのエンストである。
僕もミノワさんもあせるあせる。
その坂を上るとまたデカいラウンドアバウト。
何と凱旋門の周りを取り囲む巨大なラウンドアバウトだった。
どこから出たらよいか皆目見当がつかない。
後々、分からなかったら何周も回ってればよい……ということが身についたのだが、もちろんこの時点では知識としては知っていても気があせるばかりである。
また、知らないところに出てしまった。
今度は凱旋門近辺に近寄らないルートを探し、大回りでホテルを目指す。

ホテルに着いた頃には3時を回っていた。
今日は明後日の公演予定のあるリモージュのやや手前のラ・シャトルというところまで行かねばならない。
そこまでだって直線距離で東京⇔名古屋間くらいある。

仕方がないので、CDはパリのホテルに届けてもらうことにし、後からヨメさんがボルドーに観光に来た時に受け取る手はずに変更してもらった。
※基本的に僕の家族はパリに残り、Gargleだけがツアーをする形なのだ。

そんなこんなで出発。
ここから高速に乗るまでもかなり苦労した。
分岐が複雑なところがあり何度試しても下道に出てしまうわ、その下道で一方通行ではない細道(※ただし道の左側は全て縦列駐車の車で埋まっている)で上からも下からも車がきたところでエンストするわ、かなり波乱に満ちたドライブだった。
フランスの高速道路は基本的に法定速度が130kmである。
それをさらに上回る速度でみんな走っている。
僕らの借りたシボレーは6速まであるし、確かに高速ではもの凄く快適だ。
パリで借りてスペインで乗り捨てる……つまり長距離移動をする僕らを慮って、レンタカー屋がよい車にしてくれたんだろうなぁ、ということが分かる。

僕らが行った10月頭のフランスは、陽が昇るのが8時位、陽が沈むのも夜8時ちょっと前……という感じなので、車がすっかり畑しかなく360度の地平線が視界を取り囲む穀倉地帯にたどり着いた時には、神々しいとも言うべき夕焼けのパノラマが広がっていた。
車を止めて写真を撮りたいくらいだったが、先を急ぐし、何より高速道路を走行中だからそれは叶わなかった。

陽が沈み切った頃、高速を降りて田舎道に入る。
フランスは、高速じゃなくても、片側一車線ずつある道の最高速は原則90kmだ。
よく考えると、首都高の法定速度よりも早い。
ただ、まぁあっという間にどんどん暗くなり、ヘッドライトの灯り以外は何も見えないような状況なので、前後の車がいないところではマイペースで走ることにした。

そうして一時間以上走っただろうか。
やっとラ・シャトルの宿に着いた。
駐車場は最後の一台分のスペースが辛うじて残っていた。
慣れないマニュアルでかなり苦労して入れる。
途中、隣の車とかなりギリギリになり、にっちもさっちも行かなくなったが、慌てて出てきたホテルの女従業員が、その車を向かいの敷地に持っていった。
その時、僕の車がその車を擦ったのではないかと疑った彼女はフランス語で何事かまくし立てながら長い事車の傷をチェックしていた。

本日何度目かのヘトヘトな状態になりチェックインすると、例の女の人がフロントに立っている。
今夜の責任者は彼女らしい。
僕らが英語で話しかけてもフランス語しかしゃべらない。
車に傷を付けられた(と彼女が思い込んでいるだけなのだが)ことにまだ怒っている様子。
パリでは、色んな人種が溢れ、それこそ東洋人も沢山いたし、英語で話しかければ大抵の人が英語で答えてくれた。
よくフランスに関して言われている「フランス人は英語が分かっても分からないふりをして無視する」という話も「ホントかなぁ?」という感じだった。
しかし何も無い田舎町では、白人以外の人は見かけることもなく、そして英語は通じない。
おぉ、これぞフランスか……!
もっと元気な時だったら「おーきたきたこれこれ!」と楽しむこともできたが、その時の自分たちにはうんざりの自乗だった。
このホテルは、レストランが素晴らしいという点でホテルとしての評価が良いらしいのだが、このやや険悪な雰囲気でレストランの利用方法を彼女に訊くのは躊躇われた。
何より、フランス語で返されるのが目に見えている。
幸い、一回だけ休んで入ったパーキングで食べたパンのお陰で、お腹の減り具合はほどほどだ。
仕方なくロビーの自販機でビールを買い、それを飲んでとっとと寝ることにする。
が、ミノワさんが一本買ったところで売り切れとなり、仕方なく1本のビールを二人で分け、それを飲んで寝ることにした。

La Châtre
posted by イケーダ サトーシ at 13:46| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Gargle Euro Tour #4 巴里編3

おお。
途中まで書いたのに間違って消しちゃったよ。


なんとも特殊な「建物の3階から繁華街の通りに向けて演奏する(ただしバルコニーから部屋に出たり入ったり)」というライヴの翌日、またも楽器屋に行った。
本日の会場は小さなところで、基本的に演劇、映画の上映、アコースティックなライヴ……というようなのが主なスケジュールとなっており、ギターアンプが無いことが予め分かっていた。
その為、ミノワさんはギターアンプシミュのアプリが入ったiPhoneを持ってきたのだが、iPhoneとギターを繋ぐのに必要なiRigというインターフェースを日本に忘れてきてしまったのだ。
ミキサーも必要だが、iRigの方がはるかに緊急度が高い。

そんなワケで昨日「ここなら電気楽器を置いてる楽器屋が沢山ある」と教えられたピガールへ。
うん、確かにあった。
ショーウインドウには手ごろなミキサーもある。
ただし、ど こ も 開 い て い な い 。
今日は日曜なのだ。
いやぁ、フランス(というかヨーロッパ?)は日曜は店が開いてないよ……とは聞いていたのだが、一件位空いてるだろうと思って来たものの甘かった。
フランスでは日曜に楽器屋は閉まっている……その事実を確かめる為だけに楽器屋街をウロウロしに来た形になった。

まぁ、それでもアップルストアがルーブル美術館入り口にあること、アップルストアが日曜も空いていることを下調べしていたので、iRigだけは何とか買えた。



その夜、僕らが出たAu Petit Theatre du Bonheur という店はモンマルトルにある。
モンマルトルと言えば(僕は未見だが)映画「アメリ」の舞台で、僕らの出る店も階段になった道の途中にある。
さぞやおしゃれでかわいらしい街……かと思いきや、案外ガラの悪い街だった。
まぁ、モンマルトルの一部を見ただけなので、実はそんなところばっかりじゃないのかもしらんが。

Gargle(楽器含む)+家族総出という一行でタクシーを呼ぼうとして苦労した挙句に、予定よりやや遅れて会場に入ると、白人のきれいなお姉さんが一人で店番をしていた。
「店主はその内やってくるから好きなように準備をしていてよい」
とのことなので、好きにやらせてもらう。
小さな店なのだが、ミキサーが入り口付近にあり、そこから動かせないというのがかなり問題。
アコーディオンは持参してきた長いシールドを使って事なきを得たが、僕のiPodおよびミノワさんのiPhoneはステレオミニジャック⇔赤白の標準ジャック×2という楽器の現場では割と特殊なケーブルを使っているので、代わりも利かず如何ともしがたい。
ステージ横にあるメインのパワードスピーカーの外部端子の一つに入れようかとも思ったものの、今度はピンプラグの入力しか無いときた。
僕はピンプラグのケーブルも用心の為に持ってきてたのだが、ギターの音が出せないことの方が深刻度が高いので、ミノワさんにそのケーブルを貸す。
しかし外部端子経由でスピーカーに繋いだギターの音は余り大きい音ではなく、生音のアコーディオンにも負ける始末。
何ともいやはや。

そんなドタバタを繰り広げている間、店番の女の人は、店の前に立ち客引きをしている。
フランス語が分かるワケではないが、何とか聞き取れた「ジャポン」とか「バンド」とか言う言葉から察するに、「今日は日本から来たバンドが演奏するけど聴いていかない?」ってなことを言ってたようだ。
店の前の階段の道を行き来する人たちは知り合いが多いようで、それぞれと会話をしながらライヴに誘う彼女。
仕事とは言えありがたいなぁ、と思っていたところ店主のアレクサンドロ氏が登場。
ただの挨拶とは違う熱い抱擁とキスをするお姉さんとアレさん。
どうやら店番のお姉さんはアレさんの彼女だったようだ。
そこからはお姉さんとアレさんはひたすら店の外でお喋りをしていて、お姉さんの客引き活動は終わってしまった。
なんだかなぁ。
ただ、アレさんに「ケーブルが届かないんだけど」と言ったら凄く長いケーブルを1本くれたので、ギターはそれでエフェクターからミキサーに直結することにした。
まぁ、音はいわゆる「ラインの音」になってしまうが、ちゃんとした音量で演奏できるのだからまぁ良しとする。
僕のiPod(作ってきたオケをここから流す)は、アコーディオンのマイクを繋いでいるミキサーにぶっこむことにした。
なんだよミキサー持ってるんじゃないか……と思われるかもしれないが、このミキサーはつまりマイクに電源を供給するためのものであり(※マイクには電源が無いと動作しないタイプのコンデンサーマイクという種類のものがあるのだ)、このミキサーに入れられたアコーディオンの二本のマイクは、ハウリングキャンセラー兼ボリュームペダルとして使っているアコースティックギター用のズームのエフェクターを通り、どんな音でもシンセのパッドのような音色にしてしまう飛び道具的なエフェクトを含む数種類のエフェクトとして使えるデジテックのペダルを通り、ルーパーを通り、もう一つのボリュームペダルを通り、オートパンを通り、ディレイを通り、リバーブを通り、ミキサーに繋がる。
つまりここにiPodを通すとオケにもこれらのエフェクターがかかってしまうのだが、まぁ、しょうがない。
幸い、ディレイを曲のテンポに合わせればそれほど聞けない感じではない。

こうして本番は始まった。
本来はこの店にはミキサーを操作する音響担当者がいないのだが、ヨメさんがその役をやってくれた。
実はヨメさんは音響の専門学校卒で、数年間レコーディングスタジオに勤務していた経験があるのだ。
こんなところで内助の功。
カメラも渡したのだが、いつもオートフォーカスに対応していない偏屈なレンズを使ってる僕は、オートフォーカスのスイッチを切ってるのだが、普通のレンズに付け替えてヨメさんに渡したつもりが、オートフォーカスのスイッチは切られたまんまになっていたようで、案外酷い写真が多かったのは残念なことである。
やっちまったな。

Gargle


僕らは、大体目を瞑るなり顔を伏せるなりして演奏に没頭してることが多い。
しかもMCもせず、曲間はライヴ冒頭にその場で作ったループを使って無音にならないようにし、最後まで聞かせるというある種の無愛想に徹している。
この日、うっかり曲と曲の間に無音の間が出来てしまい「やべ!」と思ったのだが、そうしたら客席から拍手が来た。
顔を上げてみると、スタート時には家族しかいなかった客席にそれなりにお客さんが入っている。
その後も、顔を上げるたびに客が入ってきている(途中で出て行った人ももちろんいるが)。
終われば皆拍手拍手。
まぁ、本当に小さい店だからせいぜい10人ちょいくらいだけど。

その後はお客さんと交流。
と言っても僕は英語も殆ど話せないのだけど。
この日も昨日に続き、「パリの会場が決まらない」と言ったらヨメさんの友人であるアンコさんが探してくれた店で、つまりは余り僕らの音楽がどういう性質のものであるかを知りぬいた上でなされたライヴではないんだけど、それでもその中に来てくれた人の中には、僕らの音楽がどういったものであるかを分かってくれた人、音楽的な背景まで見抜いてた人、興味を持ってくれた人がちゃんといてびっくり。
用意していたサンプルの音源をもらってくれた人もいたし(フランス人は、自分も含む日本人のように「ホントは別に要らないんだけど」と思いつつお愛想で受け取ったりすることはなく、いくら進めても要らない人は「私は要らない」とはっきり言うので分かりやすい)、ちょっと報われた気分になった。
本日のライヴは、入場料とは別に気に入った人は用意された入れ物(帽子だった)にお金を入れていくんだけど(いわゆる投げ銭制だ)「あなたたちの為に入れておいたわよ」という女の子もいた。
が、よく考えるとその投げ銭はもらってないな……。
あれはどこに行ったのだろう。
まぁ、そんなに儲かる商売でもなさそうだし、アレさんと彼女の生活費に回ったとしても文句はないが。
posted by イケーダ サトーシ at 01:40| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月19日

Gargle Euro Tour #3 巴里編2

というワケでrivoliのアトリエに演奏しに行く。
僕らが演奏するのは3Fだが、会場に到着した時は1FでDJがパフォーマンスをしており、ベランダから見ると人だかりができていた。

通りの人だかり


3Fの部屋は、1.5m位の壁があり、その両脇にベランダに出る窓があり、それぞれの窓の横には2m位の壁がある……というような位置関係。
二つの窓それぞれから出たところに僕とミノワさんがそれぞれ立って演奏する。
ミキサーは、ミノワさん側の窓の置くの壁の前に設置されている。
ギターアンプもミキサーのすぐ前に置き、音をマイクで拾う。
セッティングをすると、明らかに僕のiPod Touchのケーブルの長さが足りないので、部屋の中の僕とミノワさんの間位の位置の置き、場合によってはミノワさんに一部の操作をお願いすることにした。
いずれにせよ、iPodを操作する時には中に入らなければならない。

色々考えると、色々厳しい。
Gargleはコース料理だ。
全部一通りじっくり味わってもらってナンボってところはある。
いきなり道行く人を呼び止めるような組み立てを敢えてすると、登場するなりスペシウム光線を撃つウルトラマンのようになってしまう。
また、下でDJが本番中であることもあり、本番と同様の音量でのサウンドチェックもできない。
難しい。
プロ(僕はいわゆるプロではないが)というものの考え方には、「どんな条件下でもある水準以上の結果を常に出して期待に応えることができる」っていうのもあれば、「完全なパフォーマンスを発揮できない条件下での依頼はどんなに頼まれても請けない」というのもある。
セッティングまでしてしまった以上、前者の心構えで行くしかなかろう、と僕は思った。
その上でいつもどおりにやるしかあるまいということになった。

ツアーの最中、僕がもっとも口にした言葉はメルシーとグラシアスだ。
それ位みんなの好意に助けられっぱなしだった。
この日だってそうである。
基本的に今日(に限らずだが)のステージの関係者に悪人はいない。
むしろ皆善意ある人々だ。
パリでの公演先が決まらない僕らの為に今回のイベントを紹介してくれたヨメの友人のアンコちゃん、イベント主、あんまり詳しくなさそうなのにP.A.を担当してくれた好青年、対バンの人たちなどなど。
そうした善意に包まれながら、しかしこの後Gargleは火だるまになりながら落ちていく飛行機のようになる。

いつものようにアンビエント的なループを作成するところからスタートする。
道行く人たちは立ち止まり、じっと僕らの居るバルコニーを見上げている。
中々よい感じだ。
曲が始まる。
悪くない。
しかし曲が進むにつれ、ギター、アコーディオン、ピアノ、トラックなどの個々のバランスはどんどん望んでいない方向にずれていく。
P.A.の好青年は、どうやら警察が来ちゃうかもということで音量を下げつつバランスさせることに腐心しているようだが、如何せん慣れてないもんだからその過程で一部のパートだけ音量が極端に下げられたりする。
ギターが急に小さくなる。
演奏しながら部屋に入り好青年を見るとニコっと笑いながら「OK?」って訊いてくる。
「ギター!ギター!モアラウド!アップ!アップ!」
困惑しながら彼がちょっとだけギターを上げる。
「モア!モア!」
実はその間もミノワさんは好青年にどのようにバランスを合わせて欲しいかを説明しながら曲を弾き続けている。
曲が終わり、自分でフェーダーを上げに行き、戻って次の曲を演奏し始める……と今度は曲の途中から鳴るはずのトラックが鳴っていない。
何とかトラックが鳴ってないまま演奏を続けていると途中からトラックが上がったものの、途中からトラックが聴こえるようになっても曲のどこをやってるのかがまるで分からない。
案の定、僕らが思ってたところとズレたところでトラックは止まった。
その後もバランスする→何かのパートが聴こえなくなる→ミノワさんは説明し続け、僕は片言の英単語を叫ぶ……の繰り返し。
外から観てると、恐らくギターは最初に出たっきり後は部屋に入って見えなくなり、アコーディオンは出たり入ったりし、何より色んなパートが聴こえるようになったり聴こえなくなったりだったと思う。
やり取りにヘトヘトになった頃、「時間が押してしまったのでもう最後の曲にしてくれ」と言われた。
仕方なく一曲カットして「snow」を演る。
好青年も開き直ったのか、やっとバランスの取れたミックスかつそこそこの音量で演りやすくなった。
最後にディレイのフィードバックを上げ、猛烈な爆音を出した後静寂に戻る……といういつもの演出をして終わると道からパチパチと拍手が来たので手を振って引っ込んだが、記憶にある限り、夜中のイベントで眠さで集中力が切れてズタボロになった時のワーストパフォーマンスの記録を下回るひどい演奏となってしまった。

僕らは相当惨めな気分で路上に出て、次のバンドのパフォーマンスを観る。

対バンの活況


対バンはいずれもアコースティック中心(ドラムがいたりするが)。
音量は明らかに僕らより出ており、かつ人だかりも僕らより多い。
うーん、初日だというのに色々やってしまったもんだ。
いや、この「意図がスタッフにも客にもうまく伝わらない」という悲劇の洗礼を受けたのが初日でよかったのか。
元々、僕らの音楽を知らない人に意図を伝えるのが凄く難しい形態なのだ。
ギターとアコーディオンのデュオというと、大抵はもっとほのぼのとしたものを思い浮かべる。
ppからffまでフルにレンジを使ってズガーンとやってるような音楽というのは、知らない人は全く知らない。
東京でも外に音を出す前にレベルを決めようとしていたエンジニア(大抵はモニター位は返してくれた上で操作するようなのだが)に「レベルが決められないから出せない!」と怒鳴られたこともある(スピーカーから出してくれないからこっちもレベルが決められないのだが)。
僕らのような音楽を知ってる人ばかりじゃないのだ。
如何に事前のコミュニケーションが大切かってことを骨身に染みて知った僕らであった。

すんません。
3回も書いてながら、パリ編まだ続きます。
posted by イケーダ サトーシ at 00:31| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする